クワイエット・プレイス
原題/A Quiet Place
公開/2018
現在公開中で、2018年最高傑作ホラーと名高い「クワイエット・プレイス」
予告編だけではとにかく謎だらけで与えられる情報は「音を立てたら即死する」ということだけ。
視聴者の想像を掻き立てる本作について今回はレビューします。
"HUNT YOU"とあるだけに何かが襲ってくるのか?と予想
あらすじ
物音に敏感に反応する"何か"によって人類はもはや地球の支配者ではなくなっていた。
わずかに残された人々は音を立てずにひっそりと暮らしていたが"何か"の魔の手は確実に彼らを捕らえようとしていた・・・
日本版ポスター
本作は公開前からヒット確実と言われ、予告再生数はあの「ゲット・アウト」を上回り、オープニング収入は「パラノーマル・アクティビティ3」以来5000万ドルを超え、映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには267件のレビューがあり、批評家支持率は95%、平均点は10点満点で8.1点と凄まじい記録を叩き出した。
あまり情報は得られませんでしたが、逆にここまで情報を隠すのは何も知らずに見たほうがいいという制作側と広報側の判断でしょう。
この爪痕、、、!
と、いうことで何の気なしにとりあえず見に行きました。結論から言うとめちゃめちゃ怖かったです。
あまりに怖くて上映中にこっそり腕時計を見たんですがまだ残り30分もあって「こんな体験をまだあと30分もしなきゃいかんのかい、、、」と心底しんどい思いでした笑
見にいく前は「90分程度ならどんなに怖くても余裕やわw」とか思ってたのに。
ホラー映画というのはそもそも、お客さんにいかに怖い思いをさせるかが勝負。
ゆえに怖いシーンが多く、長いほど良い。
ところが延々に怖い映像を流しているだけではお客さんも慣れてしまい、せっかくの恐怖シーンが空回りしてしまう。
本来怖いシーンであっても連続で見続けていると怖いシーンではなくなってしまうのだ。
そのため、ホラー映画には怖くない休息のシーン、いわば"息継ぎ"がある。
これを随所に設けることで流れに緩急が生まれ、恐怖が持続するというわけだ。
ホッと一息つかせておいて不意打ちの恐怖シーン。これ現代ホラーの鉄板。
しかしこの問題を本作は非常に上手く、しかも自然に解決することに成功している。
それすなわち"設定の勝利"
音を立ててはいけない、ということは日常のなんてことない行動にさえ気を遣わなければならない。
つまり登場人物とお客さんは常に緊張感に包まれているということだ。
先程とは逆に、本来怖くないはずのシーンが怖いシーンに変貌する。
ただ歩いてるだけ、ただ食事しているだけ、ただ家事をしているだけ。
でも・・・枝を踏んでしまったら?皿を割ってしまったら?転んでしまったら?
たったそれだけのことで日常シーンが恐怖シーンに早変わり。
家に入るだけでも床の軋む音とか気になっちゃうわけです
なんとも見事な手法で緊張感を途切れさせず、最後まで恐怖が持続する。なるほど90分で充分なはずだ、、、
この斬新な設定とアイデア、独創性こそ本作の最も評価されている点だろう。
ところで皆さんも気になっているであろう、"何か"の正体。
今回は特別に公開しようと思います。
一瞬だけですからね、見逃さないでくださいよ、、、
はい。
言ったでしょ?一瞬だけって。
もう分かったと思いますが生物です。
視力の代わりに聴力が発達した生物。
もう全貌出しちゃいます。
こんな感じ。
きんもー
全身はこちら。
知能はあまり高くありませんが、皮膚は鎧のように硬く、動きは信じられないほど俊敏です。
ここが耳らしい。
よく聞こうとするときはここを開きます。
実は彼ら、隕石とともに地球にやってきたエイリアンなんです。
あ、彼らって言うくらいなんでいっぱいいます。
それと恐怖演出だけでなく、この映画にはドラマがあります。※ここからネタバレ注意
冒頭のシーン、予告編でも使われていますが、幼い少年の持っていた飛行機のおもちゃが作動してしまい、大きな音を立てる。その音を聞きつけ怪物が襲ってくる。果たして少年の運命やいかに、、、?
この少年、このシーンで死にます。
久しぶりですよこんな小さな子が死ぬホラー映画は。これだけでちょっとびっくりするわけです。
しかもこの少年が持っていた飛行機、こともあろうにお姉ちゃんが与えたものだったのです。
このことがあってからお姉ちゃんとお父さんにはわだかまりができてしまいます。
思春期の女の子と父親、、、どこの世界でも普遍的に問題となるこの関係。
ああ辛い。
親父ってどこの国でも嫌われているのか、、、
なんやかんやあってお父さんは自らの命を犠牲に子どもたちを守った、、、
そう、息子を亡くしたことで娘を恨んでなんておらず、娘を心底愛していたのだった、、、
嗚呼、死ぬのはいっつも親父ばっか!!
親父は命と引き換えにしか娘に愛されてはいけないのか!?
そしてそして、本作の奥さんはなんと妊娠中。
こんな世界で妊娠するなんざ自殺行為だが子孫を繁栄していかないと人類は滅亡するから仕方ないか、と自分を納得させる。
そしてそして、ラストは衝撃。
なんと怪物の撃退方法を発見!
その方法とは、、、
補聴器のノイズを大音量で聞かせる。
怪物は聴力が非常に発達しているため、不快音を大音量で聞かせると頭がパーーーーン!!
あ、そう。
なんかもっと早く誰か思いついてそうだけど。
でもあれか、発見しても伝達する手段がなくて流行らなかったのか、とここでも自分を納得させる。
てか撃退方法が「マーズ・アタック!」と一緒じゃん。
とまあちょっと半ば強引に納得した展開だったけどものすごく斬新な設定で楽しませてくれました!
なぜ公開中の今書いたかというと絶対に劇場で見たほうがいいから!
なんせ大画面の大音量に加えて静かにしなくてはならない。これって映画館そのものだよね。臨場感を味わえることお墨付き。
友達やカップルときゃっきゃきゃっきゃ見よう!
でも上映中は"音を立てたら、即死。"だよ!
グロ★★☆☆☆
怖さ★★★★☆
驚き★★★★★
心臓★★★★★
総合評価/82点