ゾッとする話
今回は映画紹介ではありませんが夏なので少し怖い私の体験談を。どうしても聞いてほしかったので。
私は都内で一人暮らしをしています。
アパートは職場から近く、定時で上がると18時には家に着いてしまいます。
しかし、早く家に帰ったところで所詮一人暮らしの男。特にすることもありません。
そんな私の家での行動は細かなところまで習慣化されていました。
家に帰り、鍵をかけ、靴を揃え、ハンカチを洗濯機に入れ、スーツをハンガーにかけて手を洗って飯を食い、風呂に入りスマホを少しいじって寝る。起きて顔を洗い、髪を整え、スーツに着替えて仕事に行く。
それらは無意識の内に行われるようになりました。
ある日のこと。
その日も仕事が定時で終わり、特に用事もなかったのでまっすぐ家に帰りました。
そしていつも通りの習慣化された行動。
ベッドでスマホをひとしきりいじり終えた私は眠ることにしました。
その日、眠りについた私は夢を見ました。
夢の中の私は現実の私と同じ。暗い部屋でベッドに横たわっていました。
少し違うのは布団を頭から丸かぶりしていたこと。
すると真夜中なのに玄関から誰かが入ってくる気配が…
「もしや強盗!?」と思った私は起きようとしましたが体が金縛りにかかったように動きません。
「まずい…もしかしたら殺されてしまうかも…」
夢の中は私は焦ります。しかし一向に体は言うことを聞きません。
その間にも「何か」が玄関から少しずつ私の部屋に向かってくる気配が…
「いよいよまずい…!」
「何か」が廊下から私の部屋のドアを開け、入ってきました。
それはゆっくりと私の寝るベッドへと近づいてきます。
「殺される…」
それは私のベッドの横で立ち止まり、私の顔を覗き込んできました。
暗闇に人影のようなモノが浮かび上がります。
「もうダメだ…!」
そう思った瞬間目が覚めました。
「さっきのは夢か…危なかった…」
胸を撫で下ろしたのも束の間、また「何か」が私の部屋に入ってきました。
さっきのは正夢だったのか予知夢だったのか。
「さっきのは夢だったけど今度こそまずい」
と思った瞬間今度は本当に目が覚めました。
私は夢の中で夢を見ていたのです。
「おかしな夢だったな…」
私はベッドから起き上がり、仕事のために身支度を整えていました。
そして家から出る瞬間気付いてしまったんです。
玄関の鍵が開いている…
いつもの習慣がたまたま抜けてしまったのか、「何か」が鍵をかけるのを忘れさせたのか、それとも「何か」が鍵を開けたのか、そしてあれは果たして本当に夢だったのか…
その日以来、家に帰ったら意識して鍵をかけるようにしています。