死霊館
原題/The Conjuring
公開/2013
「この作品は傑作である」
私は声を大にして言いたい。
知り合い中に言いふらしたい(てか言いふらしてる)
なのに見てくれる人がいまいち少ないのでここで改めて紹介しようと選んだのである。
あらすじ
引っ越したら幽霊屋敷だったンゴ
この作品と出会ったのは1年ほど前。
当時ビンボー暇なしだった私はツ〇ヤで旧作レンタル100円を漁る日々だった。
しかし、ふと準新作の棚で足を止めた。最近話題になっている比較的新しい作品だ。
その中で私はこの死霊館を手に取った。
正直私は漢字の入る邦題がどうも苦手で最初は借りる気などさらさらなかったのだ。
だって『The Texas Chainsaw Massacre』 を『悪魔のいけにえ』とか『Evil Dead』を『死霊のはらわた』とか意味わかんないでしょ。(どっちも大ヒットしたからいいけど)
あと最近では
『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』
ダ・・・ダセェ・・・
なんだジャスティスの誕生って。英単語の意味知りたての中学生かはたまた意識高い系の大学生が使いたがる横文字か。
だったら全部日本語で「正義の誕生」のほうがまだマシだ。
ちなみに原題は
『Batman v Superman:Dawn of Justice』
直訳すると『バットマンvスーパーマン:正義の夜明け』
か・・・かっけえ・・・
なんだ正義の夜明けって。かっこよすぎる。
だいぶ話がそれたがそんなわけで私は漢字入りの洋画が苦手だ。
しかし「食わず嫌いはよくないな」てなわけで何の気なしに借りてみた。
しかも準新作で350円もした(安)
それが逆によかったのかもしれない。見たかったから借りたわけではないので変な予備知識もなかったし期待もしてなかった。
それがなんだ。
序盤から畳み掛ける心霊現象。じわじわと家族を蝕んでいく悪魔。グロなしで味わえる底なしの恐怖。カメラワーク・音響の使い方、主軸じゃないのに超怖いアナベルの椅子のシーン。斬新なシーツの使い方。頼れるウォーレン夫妻。家族の愛。ホラーファン垂涎もののオマージュ。どれを取っても傑作としか言いようがなかった。
↑かくれんぼのシーンは予告編でも使われた。
↑一番グロくてもせいぜいこんなもん
これを見終わった後、私は思った。
「こんな作品がこの世にあったとは。そして今後もこんな作品が生まれる可能性があるとは。ホラー映画ってこんなすげえんだ。」
この作品はニューウェーブホラー監督筆頭、ジェームズ・ワンがメガホンを取っている。
詳しくない人には『ソウ』や『インシディアス』の監督といえばピンとくるだろう。
ストーリーは一応実話に基づいており、劇中のアナベルも実在する。
↑実際のアナベル。怖いような怖くないような・・・
この作品のすごいところは先にも書いたがグロテスクなシーンがほぼないという点である。
最近のホラーはやはり映像技術が発展してきたこともあり、よりリアルに、よりグロテスクに撮ることが監督の手腕だという傾向にある。
『マーターズ』や『ホステル』なんかはその代表格だ。
確かにそれも一理あるのだがそこに重点を置きすぎると内容がおざなりになってしまいがちだ(それを楽しむだけの作品も多々あるので悪いことではない)
ただ最近はそんな作品が増えすぎたと思う。『ハイテンション』とか『ソウ』の後半シリーズとかね。
時代の流行に逆らってなおかつおもしろい。それがこの作品の魅力だ。
そしてもう一つはホラーファンならにやけずにはいられない、有名作品のオマージュの数々。
衣装ダンスから飛び降りるババアは『スペル』、悪霊にぶっ飛ばされて後ろから棚が倒れ掛かってくるのは『死霊のはらわた』とワン監督のホラー映画への愛がにじみ出ている。
ちなみに本作を初めて見たのはDVDだがその後ちゃんと劇場で見ている。今年の7月『死霊館 エンフィールド事件』公開の前夜祭として1と2が同時上映されたのでそのイベントに参加した。なんと高橋ヨシキ氏のトークショー付きだ。
↑映画ライター高橋ヨシキ氏。映画を語らせたら日本一。
初めてホラー映画で怖すぎて泣きそうになった。目を背けたくなった。一回見てるのに。あとおもしろすぎて感動して何度か泣きそうになった。
そんな本作はまだまだ語ることが山ほどあるが、それは続編の『死霊館 エンフィールド事件』の紹介に譲るとしよう・・・
おすすめの見方はカップルで見るのもよし、友達ときゃっきゃと見るのもよし。万能な作品である。
だがやはり大画面で夜一人で電気を消し、廊下側のドアを開けっ放しにして”大音量”でしっかり見てほしい。
あなたもきっとこの作品の持つ魔力に引き込まれるだろう・・・
グロ ★☆☆☆☆
怖さ ★★★★★
笑い ★★☆☆☆
家族愛★★★★☆
演技★★★★☆
総合評価/90点